永山嘉月の創作ラボ

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ハルムザードの矢車亭 ~はじまりの古地図~ 完結報告

ハルムザードの矢車亭 ~はじまりの古地図~ がなんとか完結しました。

 

小説家になろう

https://ncode.syosetu.com/n5865dl/

 

ノベルアップ+

https://novelup.plus/story/406957630

 

後半なかなか書き進められなくなっちゃって苦労したんですが、なんとか終わらせることができました。

 

ヘタだろうが面白くなかろうが、完結しない作品よりはマシだと信じて書き続けたのでひとまずほっと一息。

 

次回に含みを持たせるような終わり方してますが、続編書くかどうかは未定。

 

よければ見てくださいね~。

書く習慣をつけることの重要性

何か今日はあまり筆が乗らないので、気楽に書ける雑記でも。

 

陰陽仙華を書いてた時期は、小まめに更新していたので自然と書く習慣がつきました。

 

今はハルムザードの矢車亭を完結させることを考えて、地道に書いています。

 

が、ここ数日いろいろあって書けなかったところ、書く意欲が少し減退してきちゃったのを感じました。

 

ので危機感を覚えて今この文章を書くことで、意欲の流出を止めようと躍起になってるような次第でございます。

 

雑記がどれほどの足しになるのかはわからないですが、何も書かないよりはややマシかなーと。

 

毎日更新とかできている人は、時間をうまく捻出してるのに加えてルーティン化させて書いてるんだろうな。

 

ノベプラとか見てると、熱心に更新してる人たちがいっぱいいますね。創作への情熱とみなぎるパワーを感じてやや圧倒されます。

 

私はテキトーだからなあ。気が向いたり向かなかったり、昔からそんな調子だったのであまり長い話を書いたことありません。

 

短編いくつか書いてみてキャラに愛着がわいてきたら、ガッツリ本腰入れて長編書こうって気にもなるかもしれないね。

 

そんだけのボリュームの話をまとめる事が、果たしてできるのか?という問題はありますが。

 

まだまだ実験の余地はありそうです。

ハルムザードの矢車亭 ~はじまりの古地図~

小説家になろうで昔書いて放置してた、ファンタジー小説を少し書き進めて更新しました。ひとまず完結を目指して頑張ろうかと思います。

 

小説家になろうのページ

https://ncode.syosetu.com/n5865dl/

 

ノベルアップ+でも読めます。

https://novelup.plus/story/406957630

 

いろいろ設定は温めてあるんですけどね~。なかなか書き進まないのがなんとも。

故郷で生きる私

氷雪の野の上で
ゆっくりと朽ちていく
それもまた楽しいと
西日に染まる街を見つめて考えた
人のかたちを 物のかたちを
時はただ運んでいく
過去に運んで変えてゆく
私は留まっていられない
あれらも留まっていられない
かつて共にあった彼らも
人から物へと形を変えた
彼らの子孫である私も
いずれ遠からぬうちにまた
人から物へと形を変える
時間的経過による必然
全ての人に 物に 必然は降ってくる
必然を受け入れて
氷雪の野で朽ちる
ああ 楽しみだな 楽しみだな
白く愛しい私の故郷で
私は楽しくゆっくりと朽ちている

ウラオモテの魔術師

魔術師は抱えている
左手に分厚い本を 右手に脈打つ心臓を
彼のローブは半分が黒で半分は白
紡ぐ言葉が右から左へ
いつだってまとまりがない
紡ぐ言葉が左から右へ
まとまりすぎて面白くない

どれが本当の貴方なのかと尋ねれば
どれも本当の私であると答える
時折回転する 時折後ずさる
時には高く地を蹴り飛んで
時には深く地を掘り沈んで

道の終端まで着いたら
裏側の世界で眠ると口にした
彼が指差す先には 大きな水たまり
覗くと裏側の世界が見えた
裏側に私もいた

一年十年千年五年

後に戻れぬ 道の先
永久(とわ)の眠りの その時も
安けくあらん 願わくば
今の辛さを 胸に抱き

星よ蛍よ 瞬いて
光を落とせ 足元に
微かであれど 慰めに
時にしるべに 安らぎに

浮世の辛さ 抱え込み
潰れる前に 天を見る
澄んだ空にも えにしあり
雲の中にも ゆかりあり

回る苦しみ 繰り返し
出口なき日も 幾年か
やがては忘れ 心無く
腹で虚ろを 飼い慣らす

夏の世界

裸足で歩く草の上
やわらかな緑の絨毯の上
爽やかな色の風が 気ままに走り抜ける

そびえたつ木々が 風に呼応して葉を揺らす
まあ あの風は元気ねえ 大層男前だねえ
そんな調子で口々に 隣の木と噂する

空はただ 青い 太陽はただ 暑い
天から噂好きな木々を すばしっこい風を 
そして緑の上に立つ私をただ眺めていた

幼い私もただ眺めていた
あまりに広くて大きくてどこまでも続く
夏の世界を眺めていた

今でも思い出せる景色
いつまでも思い出せる景色

振り返る夏の世界 繰り返す夏の世界

「陰陽仙華」まとめて公開しました。

先日完結したプチ連載小説「陰陽仙華」ですが、加筆・修正を終え下記サイトにて公開しました。

 

小説家になろう

https://ncode.syosetu.com/n4703gi/

 

ノベルアップ+

https://novelup.plus/story/796215271

 

どっち使おうか悩んで結局両方使ってみることにしました。

()で囲むと自動でルビが振られる機能にビックリ!さすが専門サイトは利便性が高いですね。

 

なろうの方には以前書いてた書きかけの小説がいくつか放置されてるんですが、完結に向けて続き書いてもいいかなと思ってます。

 

とりあえず今日はこれにて。

「陰陽仙華」おまけ話

細々と書き続けてきたプチ連載小説「陰陽仙華」ですが、なんとか完結しました。

 

Wordの文字カウント機能で調べた所、全部で16000字程度になりました。

 

元々そんなに長い話にするつもりはなかったので、こんなもんかなあという感じです。

 

いやだってガチで書きながら設定とか考えて付け足してったから、複雑な長い話は書けないだろうと踏んでました。

 

そういうのやりたいなら、きちんと事前にプロット作ったり設定メモ作ったりやらないとね。

 

あくまでプチ連載小説なんで、私が気楽に書くことを重視しちゃいました。でないと続かないなと思ったし。

 

ここでは陰陽仙華本編で書ききれなかった、もしくは書き忘れたおまけの設定やら何やらをこっそりとネタバレしちゃいます。

 

といっても、書きたいことは大体本編で書けたのでちょっとした補足程度のもんですが。

 

式神の話

まずはいっぱい出てきた式神についての話からにしましょうか。正直たくさん出し過ぎて個性が描き切れなかった点も多いなと反省しきり。

 

狐火の炎月は序盤こそ出張ってましたが、敵のレベルが上がるにつれて地味な支援要員として影薄くなっちゃいました。

 

ほぼランタン代わり。攻撃力も実はそんな高くないんで、妖気探知や雑魚の掃討用ですね。

 

木精の桜鈴は、ヒロイン枠欲しいよなーってことで作りました。性能は防御寄りです。

話の途中で仲間になるキャラなので、なんか見せ場作ってあげたいと思って山の木精を動員。

 

攻撃力はあまりないけど桜鈴の能力が決定打となって、戦局が決まる。みたいな展開にうまく持っていけました。よかったよかった。

 

烏天狗の空哉は攻撃特化の主戦力です。名前は空也上人から取ってます。天狗はやっぱりいいよね!

 

年経た烏なので、落ち着きと風格のある感じのキャラになってます。一人称が小生なのもその辺表現したかったからです。

 

鏡夢は鏡の付喪神ですね。彼女の能力は戦闘補助タイプです。桜鈴を活躍させるため、最後の戦いには出してません。

 

非戦闘員の護衛が必要な時には、非常に重宝する能力持ちです。ただ敵と式神が殴り合ってればいいってもんじゃないですからねー。

 

朧は作中で書き忘れましたが、太刀の付喪神です。彼の持ってる太刀こそが本体なわけです。

 

昔腕の立つ武人が愛用していた太刀に、魂が宿ったものという設定なんですが出しそびれたな。

 

どんなキャラにしようか考えた時に、パッと浮かんだのが鬼滅の刃の時透くんだった。ので、性格付けとか雰囲気に影響出てると思う。

 

狸政はもうそのまんま狸です。人に化けるとおっさんの姿になる狸。攻撃力ほぼなし。炎月以下。完全に日常の使役用。

 

戦闘以外の場面でも、式神使ったっていいじゃない。陰陽師だもの。という側面を書きたくて作ったキャラです。

 

16000字しか書いてないのに式神出し過ぎィ!まあでも面白かったのでいいか。

 

主人公にまつわるおまけ話

一応の主人公、行実についても書いておきましょう。実は彼には弟がいます。っていうか、元々弟の方が先に考えたキャラなんだよね。

 

弟も陰陽師で、烏じゃない普通の天狗を使役してます。が、この天狗とイイ仲になっちゃって、ずっと一緒にいるために人間やめる算段をしてるらしい。

 

・・・まあ、なんだ。BLなのであえてここではガッツリ書かないぜ。そっちの話はゲームの二次創作だし。

 

行実は普通に家督を継いで子孫を残していく予定。子孫はツンデレ男子高校生でやっぱり天狗使い。って、どんどん脱線していくのでその話もやめときましょう。

 

今回のラスボスの話

針永姫さんについても書きますか。彼女の名前は(しんえいき)って読むんですけど、そういや作中ではルビ振らなかったな。

 

朧(おぼろ)にルビ振るんなら、こっち優先すりゃよかったんじゃないか?という気がしてきたわ。

 

意地悪ばあさんが嫁いびりに使ってた針が、針永姫さんの本体です。これは作中でも書いたけどね。

 

彼女が人間を虐めるのにこだわってたのは、元の持ち主の性格が影響してます。美にこだわってるのもそうです。

 

意地悪ばあさんも、若いころはまあ美人だったんですよ。でも性格悪いんで最後は息子にも見捨てられて孤独死したけどね。

 

魂が宿り始めの頃はあまり力もないので、山道に転がって通りがかる人の足を刺して苦痛を吸って力をつけてました。

 

んで少しずつ力を増やして、捨てられた針たちを眷属として操れるようになります。この眷属たちがマガツ針ね。

 

針がコンセプトのあやかしなので、毒を使ったり針治療的なアレで他のあやかしの力を引き出したりするわけです。

 

最後に

書きながらあれこれ考えて付け足してった話なので、説明不足の点やらツメの甘い所やら色々あるとは思いますが一応終わらせることができました。

 

せっかくなので後日細かい所の加筆・訂正なんかを済ませた後小説投稿サイトにアップしようかなーとか考えてます。

 

その時はまたこのブログでお知らせしますね。ではではー。

 

プチ連載小説「陰陽仙華」その58

「昔々、あの小屋にはきこりの他に、母親と妻も一緒に住んでいたそうです」

 

きこりの母親は意地悪な姑で、きこりの妻を毎日つまらない事で叱りつけたという。

 

裁縫箱から針を取り出しては、事あるごとに刺して虐めていたのだと。

 

やがてきこりの妻は、耐えきれなくなって家を出ていった。きこりもまた、妻を追いかけ母親を捨てて山を下りた。

 

残された母親は、二人がいなくなってから元気をなくして急速に老け込んでいった。

 

すっかりぼけてしまっても、なお虐めるために嫁を探して山をうろついていたらしい。

 

その母親も、やがて小屋で孤独に死んだ。亡骸は通りがかった者が弔ったが、かつて使われていた家財道具はそのまま残された。

 

「針永姫さんは、かつてお嫁さんを虐めるために使われていた針なのでしょう。持ち主のよくない念が死後も残ってしまい、あやかしに変じたと考えられますね」

 

桜鈴の話を聞きながら、行実が専門家らしく解説を入れる。気づけば、東の空が白みはじめ朝日が昇ってこようとしていた。

 

そしてふもとにたどり着き、狸政の出迎えを受けた時にはもうすっかり日が昇りきって明るくなっていた。

 

「お帰りなさいませ、行実様」

 

「全て済みましたよ。さあ狸政、屋敷へと帰りましょう」

 

狸政以外の全ての式神を符に戻し、行実は牛車に揺られ帰途についた。

 

屋敷へ戻れば、また新たな依頼が舞い込んでくることだろう。心地よく眠気をさそう牛車の揺れに身を任せ、つかの間の休息を楽しむことにしたのであった。

 

 

陰陽仙華・おしまい