永山嘉月の創作ラボ

永山嘉月が小説・イラスト他色々を創作するブログ

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

プチ連載小説「陰陽仙華」その15

行実のもとに新たな仕事の依頼が舞い込んだのは、数日後のことであった。 都のはずれにある古い神社の跡で、夜な夜な怪異が出るという。 「朽ちて誰にも手入れされることのない神社か。そういう場所にはあやかしも住み着きやすいからな、針についての情報も…

プチ連載小説「陰陽仙華」その14

翌日、行実は仕事終了の報告と針の調査を兼ねて陰陽寮へと赴いた。 聞けば、他にも何件かの仕事で針が発見された事例があったという。詳細については未だ不明らしく、調査を進めているとのことであった。 「他の場所でも同じようなものが見つかっているとは…

プチ連載小説「陰陽仙華」その13

散らばった屍の中、滅んだあやかしがいた辺りに、何やらきらりと光るものが見える。 行実が近づいてよく目を凝らすと、そこには細長い針のようなものが落ちていた。 「針・・・か?しかし何やら文字が刻まれている。そして微かながら、妖気も感じられるな」 …

プチ連載小説「陰陽仙華」その12

断末魔の絶叫を残し、あやかしが灰となって燃え落ちる。 周辺に他の妖気がないのを確認して、行実は呪符を懐にしまった。 「今回の一件はこれにて終了かな。これでもう夜中に人が喰われることはないだろう」 「流石は行実様。いつもながら、鮮やかなものです…

最近の私の話。言い訳ぽいけど時間が足りぬ

たまには雑記も書きたいなと思ったので書いてみます。 いやね、言い訳っぽくなるっていうか100パーセント言い訳だとは思うんですけど、どうにも最近忙しくて。 というのも私、今年の初めに赤ちゃん産んだばっかりで、まだまだ子供に手がかかるんですよね…

プチ連載小説「陰陽仙華」その11

炎をかいくぐりながら、あやかしが行実を狙うべく近づこうとしてくる。 「さて、ではこうしようか」 顔色ひとつ変えることなく行実は、懐から呪符を取り出し呪を唱えた。 指先より放たれた呪符が素早くあやかしに張り付き、その動きを封じる。 「なにくそ、…

プチ連載小説「陰陽仙華」その10

「陰陽師を喰ったことはまだないのう。どんな味がするか楽しみじゃ」 血で汚れた長い爪をだらりと下げて、あやかしは様子を窺っている。隙あらば肉を引き裂こうという明確な殺気が放たれていた。 「我が主がお前ごときに喰われるわけがなかろう。潔く滅ぶが…

プチ連載小説「陰陽仙華」その9

炎月と呼ばれた式神は、身にまとった炎をめらめらと燃やし尾のように伸ばした。 中空にいくつか炎の塊を飛ばし、広い空間を照らしだす。 「君か、行方知れずの人たちを喰っていたのは」 奥まった一角に、そのあやかしはいた。周辺に骨やら臓物やら、散々に人…

プチ連載小説「陰陽仙華」その8

あやかしの気配はいよいよ強まり、禍々しさを増してくる。行実は懐から紙のようなものを取り出し、短く呪を唱えた。 紙からしゅるりと薄く煙が立ち昇り、細長い体の四足獣が姿を現す。青白い毛皮に包まれたその獣は、やはり同じように青い炎を纏っていた。 …

プチ連載小説「陰陽仙華」その7

怪異に遭遇しながらも生き延びた男により、出没場所の特定がなされた。 後は適切な能力を持った者が対処するだけである。こうして、行実が現場となった五条大路へ来ることとなったのであった。 辺りを見回すと、廃墟となった古い屋敷が目に留まった。嫌な気…

何も考えずに描いたらくがき

左向き顔らくがき 私が何も考えずに描いた普段の絵柄。色塗りも超テキトー。 正直昔描いてた絵よりも画力が劣化してます。今から練習して元に戻るのか、さらにレベルアップできるのかは私にもわかりません。 色の塗り方とかもう完璧にいろいろ忘れてるからな…

プチ連載小説「陰陽仙華」その6

黒い血だまりの中、あやかしが人間を喰らっていたのだ。哀れな犠牲者は四肢をばらばらにもぎ取られ、そこかしこに散らばっている。 背中を丸めたあやかしは、生首を手に持ちこりこりと頬の肉を齧っていた。じゅるじゅると血を啜る音も生々しい。 この犠牲者…

プチ連載小説「陰陽仙華」その5

夜更けに出かけていった者が、何人も行方知れずになっているのだという。 これといった手掛かりも掴めずにいたのだが、ある日偶然五条大路の辺りを通りかかった男が怪異に遭遇したのだそうな。 あやかしの噂は聞いていたものの、どうしても行かねばならぬ用…

プチ連載小説「陰陽仙華」その4

歩いていた行実が、ぴたりと進むのをやめた。嫌な気配を察知したのだ。 ざわざわと、胸中をかき乱すような不快感。あやかしが近くにいる。 そしてあやかしの気配に混じって、血の匂いも漂っていた。また誰かが喰われたのか。 陰陽寮に調査の依頼が入ったのは…

プチ連載小説「陰陽仙華」その3

陰陽寮の仕事といえば卜占を行ったり暦の編纂をするなど、地味なものだと民草たちは思い込んでいる。 時に体を張って悪鬼悪霊の類と渡り合っている事については、あまり知られていない。 きっとそれは、知らないほうが幸せな事なのだろうとも、行実は思う。 …

深夜明鏡止水

密かな夜に泣き笑い 陽の射す社会が辛くとも 夜の帳はただ優しい 静謐と安息と 眠る者達の見る夢が 思索の時に花添えて 独り我が身を水鏡に 映して癒す心あり

プチ連載小説「陰陽仙華」その2

行実は貴族階級の人間だが、今は牛車も使わず供の者も連れていない。 馴染みの女の家へ通うわけでもない。彼が今徒歩なのは、仕事の為である。 京の夜には、しばしば怪異が湧き人々を恐怖に慄かせる。ただの与太話だという者もいるし、構わず女の元へ通う貴…

プチ連載小説「陰陽仙華」その1

時刻は深夜。 生暖かい風が吹き抜ける都の大路を、一人の青年が歩いている。 颯爽と水干を身にまとい、しゃんと背筋を伸ばして歩く姿からは、闇夜への恐怖が感じられない。 夜歩きには慣れている、といった風情だ。 彼はその名を橘行実(たちばなのゆきざね…

プチ連載小説企画を始動します。

こんにちは、永山嘉月です。 とりあえず何を書こうかと考えて、気軽に書けるものからにしようと思いプチ連載小説企画を立ち上げることにしました。 ルール ・毎日書くとは明言しないけど、なるべくこまめに更新すること。 ・書けない時でも最低1行は書く。…

はじめまして、永山嘉月です。

こんにちは!永山嘉月と申します。こう書いてながやまかづきと読みます。 PIXIVとかで色々な創作作品をながめるうちに、私もなんだか創作意欲が高まってきたので思い切ってブログ作っちゃいました。 このブログでは私が創作してみたものをマイペースかつ自由…