2020-07-02 ウラオモテの魔術師 詩 魔術師は抱えている左手に分厚い本を 右手に脈打つ心臓を彼のローブは半分が黒で半分は白紡ぐ言葉が右から左へいつだってまとまりがない紡ぐ言葉が左から右へまとまりすぎて面白くない どれが本当の貴方なのかと尋ねればどれも本当の私であると答える時折回転する 時折後ずさる時には高く地を蹴り飛んで時には深く地を掘り沈んで 道の終端まで着いたら裏側の世界で眠ると口にした彼が指差す先には 大きな水たまり覗くと裏側の世界が見えた裏側に私もいた