いつものように行実は、淡々と仕事道具の準備をする。
いろいろある式神符の中から、桜色の小袖を着た女性の絵姿が描かれたものをそっと取った。
「約束ですからね、行きましょうか。後は・・・」
式神は各々違った強さや特徴を持っている。あやかし達に警戒されず持って歩ける札の数にも限りがあるので、行実はその都度適切な能力を持った者達を選んでいた。
今回新しく仲間になった式神は木精だが、今まで木精を扱ったことはない。ゆえに、能力を見せてもらうにはよい機会となることだろう。
数枚の式神符を選んで追加すると、行実は不知火山へと出かけることにした。