プチ連載小説「陰陽仙華」その32
「くくく、まだまだ触手は増やせるぞ。そうら、そこの人間ともどもいつまで守り切れるかな」
触手のうち1本が、操られ連れてこられていた男へと向かう。守護についている炎月が、正面から触手に噛みつきかろうじて動きを止めた。
渾身の力で触手を噛み砕き男を守ったが、炎月は力を使い切って式神符へと戻る。
「炎月、ありがとう。さて、次は・・・鏡夢にお願いしましょうか」
行実が、新たな式神符を取り出して式神を召喚した。唐衣に身を包み、目元涼やかな女性が現れる。
「行実様、お困りとあればこの鏡夢にお任せを。いかがいたします?」
「まずはあの人を安全な場所へ避難させてください。それから、空哉と連携してあやかしを倒します」
「ではあの方には、一時鏡の空間に入っていてもらいましょう」