永山嘉月の創作ラボ

永山嘉月が小説・イラスト他色々を創作するブログ

プチ連載小説「陰陽仙華」その27

一陣の風とともに現れ出でたその式神は、背中の翼を広げて上空で静止した。

 

修験者のごとき装束を身にまとい、黒い羽毛に覆われた鳥の頭がついている。

 

年経た烏が霊力を得て人化したもの・・・烏天狗であった。

 

「行実様、お怪我はありませんか」

 

「大丈夫だよ空哉。彼を捕らえてくれないか、少し話がしたいんだ」

 

「小生にお任せを。この程度の相手、すぐに制圧してみせましょう」