2020-04-29 プチ連載小説「陰陽仙華」その27 小説「陰陽仙華」 一陣の風とともに現れ出でたその式神は、背中の翼を広げて上空で静止した。 修験者のごとき装束を身にまとい、黒い羽毛に覆われた鳥の頭がついている。 年経た烏が霊力を得て人化したもの・・・烏天狗であった。 「行実様、お怪我はありませんか」 「大丈夫だよ空哉。彼を捕らえてくれないか、少し話がしたいんだ」 「小生にお任せを。この程度の相手、すぐに制圧してみせましょう」